ツール・ド・東北とは、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた宮城県の沿岸部で行われているサイクリングイベントです。
その中でも比較的短い距離の女川・雄勝フォンド(65km)に出てきたので、大会の様子をレポートします。
自転車にまたがって進む田園風景、峠の上から見える海、水平線。川沿いの風が通るまっすぐな道。本当に気持ちがいい景色。
そして途中にある休憩所、エイドステーションのホタテはめちゃ美味かった…。
出走前日 大会受付
前日に受付を済ませる必要があります。受付会場は石巻専修大学。駐車場がないため、車では行けなかったので、私は自転車で向かいました。
車でしか行けない方のために、離れた場所に駐車場も用意してくれています。そこからバスに乗って会場へと向かえます。
会場では、自転車関連のお店や飲食店、ステージなどがセットされています。
自転車のメンテナンスやグッズの販売のお店もあるので、忘れた人は購入して事前準備ができます。

事前に家に届いたハガキを受付のテントへと持っていきエントリーを完了させます。
受付が終わった後に談笑したりしている人も多数。
エントリーを完了すると、参加にあたり必要なゼッケンやヘルメットにはるシールを始め、いろいろなグッズをもらえます。

ツールド東北に関するしおり・パンフレット、日焼け止めの試供品、コースマップ、3.11を忘れないピンバッジ、チラシ、参加Tシャツ、河北新報のツールド東北特集新聞、ポールスミスデザインのバンダナ、ビーコンなど。
ビーコンは必ず車体につけないといけません。
追記)ポール・スミスデザインのバンダナは2018限定でした。
ゼッケンをヘルメットとサイクリングウェアにつけて、ビーコンを車体に取り付ければ、出走準備は完了です。
ツール・ド・東北当日 会場到着から出発まで
距離によって出走開始時間が異なります。長い距離に参加する人たちは早い時間の出発。

こんな感じで並んでいますが、意外と早く進みます。
途中、カメラマンがいて写真を取ってくれたり、ライトの点灯確認、ビーコンの確認、ヘルメット確認などがあります。

徐々に出走スタート地点が近づいてきます。

ある程度のまとまり毎に出走スタートします
出走する直前には前から集合写真をとります。
イベント終了後には河北新報という仙台市に拠点を置く新聞社の号外としてポスターが作成されており、それをもらうことができます。

まさに、出走直前の写真。そして、スタート!
ツール・ド・東北〜石巻専修大学から女川エイドステーション〜
大学の周りを回るようにして一般道へと出ていきます。
最初は田園風景が続く平坦な道。

しばらくすると第一の難所の登りが来ます。
これがしんどい…。一気に脚のパワーが持っていかれます。
写真をとる元気は全くなし…。
登った後は下りが続いて、内湾になっている万石浦が見えてきます。
海が見えると気持ちがいい!
下りと平坦な道で元気になりながら女川エイドステーションへと進んでいきます。途中は大漁旗を振って応援してくれる人々の姿。
こちらは楽しんで自転車乗ってるだけなのに応援されてなんだか嬉しいです。

女川エイドステーションではさんまのすり身汁を提供してくれています。

このすり身汁のサンマの出汁と味噌の塩分が汗をかいた身体に染み渡ります。何杯でも飲める…!(一人一杯なので注意しましょう)

女川駅舎の前の広場がエイドステーションになっているのですが、新しくてかっこいい駅舎です。
というのも津波で全部流されたからなんですが、こういう事を感じて知りながら参加できる、というのがツール・ド・東北らしさなんでしょうね。
負のイメージを引きずらずに人を惹きつけるいいイベントだなと改めて思います。
次に目指すのは、雄勝のエイドステーションです。
女川エイドステーションから雄勝エイドステーション
女川から雄勝までの道は平坦な部分はほとんどありません。
登るか、下るか。
リアス式海岸一体での湾から湾への移動になるので、山を登って降りる必要があります。
このコースでは、3回ぐらい登って降りてようやく雄勝湾へと降りていくイメージです。
…登っているところの写真はありませんが、登りきったところはこんなにいい景色。

疲れが、吹き飛びます。(登った後は下り!)
そんなこんなで登り下りと景色を楽しんだら雄勝エイドステーションです。
ここの名物は何と行ってもホタテ!

エイドステーションに到着するとたくさんのホタテが焼かれています。いい香り!

実際にはおにぎりもついてます。ホタテのタンパク質が脚の回復を促し、米が元気を、塩気がミネラルを補給してくれるッ!
焼き立てのホタテ、何個でもいけちゃいます(一人一つです)
次は、河北エイドステーションを目指して走ります。
雄勝エイドステーションから河北エイドステーション
雄勝エイドステーションから河北エイドステーションはまずは登りです。また登り…。
しかし、その後はしばらく下りが続いて、トンネルを超えて北上川沿いの道へ。

抜けるような青空の元、幅の広い北上川を横目に延々と続くような平坦な道をひた進みます。

途中、写真を取っている参加者の方も。
道路と自転車と川と里山と田んぼ、時々通る車。それだけの風景。
でもとても美しい。
まっすぐに進んで行くと河北エイドステーションが見えてきます。他のエイドステーションとの感覚に比べ大分近く感じます。

河北エイドステーションの名物はこれ。
平椀と呼ばれる地方の郷土料理。くるみ豆腐、たけのこ、しいたけに甘じょっぱいあんがかかっています。
個人的には、もっと塩気が感じられる唐揚げ、みたいなものが食べたかったけど、土地のものを感じるにはいいかもしれません。
ちなみにこれは、石巻周辺では法事で必ずついてくるもの。

奥に進むとこんなお寺があります。
河北エイドステーションから石巻専修大学(ゴール)まで
河北エイドステーションから石巻専修大学までの最後の区間です。
北上川沿いの道をひたすら進んでいきます。
周りになにもなく、向かい風が吹き付ける中進んでいきました。上り坂に負けずおとらずめちゃめちゃキツい。
でもペダルを漕いで行くと少しずつ住宅地へと入っていきます。ゴールはもう少し!
石巻専修大学が見えてきて、ツール・ド・東北も終わりを感じます。

もうちょっと!

沿道で応援してくれる人々には元気をもらいました!

あと少し!

もう少し!!!

ゴール!!!
長いようで短い3時間30分ほどの輪行、楽しかった!美味しかった!

なお、ゴールした後には出店でサバラーメンを頂きました。
ツール・ド・東北に参加してみたまとめ
比較的短いコースの女川・雄勝フォンド(65km)ですが、アップダウンあり、景色あり、平坦な道あり、トンネルありのバラエティに富んだコースでとても楽しくペダルを漕ぐことができました。
東日本大震災で大きなダメージを追った地域ですが、そんな場所に全国から人が集まって地元の人もそんなに通らない道を通って、同じ空気を吸い、応援し、応援され、美味しいのものを食べる。
復興支援というけれど、緊急な時期を通り過ぎた今であれば、興味を持ったいろんな人が集まって、知ることができるというそんな形が持続的でいいのではないかとか、いろいろと思います。
ま、そんな子難しいこと抜きにして、ツール・ド・東北、オススメします。
追記
日焼け止めは必ず塗ったほうがいいです。

ツール・ド・東北での日焼けが戻るのに一年以上かかりました。